スポンサー広告 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 Page top 

 『ユキノ・ララ・フェスタの日記』 

1533年10月20日

(c) IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

1533年10月20日 コインブラ 晴れ

なんでこんなことになってしまったのだろうか?
私にはさっぱり理解できない。

先日張り出したカレンの「果たし状」にも吃驚したけれど、それに応じる人がいたことにさらに驚いた。
前の晩から説得し続けた私を引きずるように、カレンは中央埠頭に出向いた。
しかも、昼から。
指定したのは夕方なのに。

待つこと数時間。
仁王立ちする姉への忠告も出尽くした頃、その男は本当にやってきた。
以前カレンが「炎のような鶏のような」と言っていた意味がやっとわかった。
この界隈を根城とするチンピラ、グラシエルロ。
伝説の格闘家の一番弟子だとか、3年戦争に従軍していた英雄だとか、いつもおなかを空かしているとか、コインブラの裏通りでは有名らしい(もちろん何れも定かではない)。

「我が名はカレン・ララ・フェスタ! 貴様がグラシエルロか!?」
「おうよ。命知らずの女っていうのはお前か?」
(もし本当に)彼が現れたら仲介しようと思っていたのに口を挿む暇もなかった。

カレンは音吐朗々たる大きな声でこの決闘の意義を告げた。
一言でいえば「食い逃げの仇討」なのだが。
おかげで道行く人々が集まってきた。
水夫、漁民、商人、開拓家門……。
それに「果たし状」を見て集まった野次馬たちでちょっとした人だかりができた。

いま思えば、官憲に捕まらなかったのは幸運だった。
素姓のわからない人間の集まる港町だからだろうか。
滞在する開拓家門が多く、喧嘩や決闘は日常茶飯事だったのかもしれない。
(いや、それでも中世じみたやり方は姉くらいのものだろう)

「エモノは?」
「俺はいつだって喧嘩殺法さ」
「おもしろい。徒手空拳なら無益な殺生をせずに済む」
「“殺法”だって言ってんだろ」
カレンはそう言いながら剣帯を外し、私に放った。
これで私も部外者のフリができなくなってしまった。

「決闘」は酷いものだった。
ただひたすらに殴る蹴る。
まるで闘牛を観ているかのような歓声の中、姉と男が殴り合う。
新大陸に来て強くなったつもりだったが、残念ながら私にはどうにもできなかった。
止めるには騎兵中隊か野砲のどちらかが必要だったはずだ。

小半刻ほど殴り合っていただろうか。
お互いの拳が空を切るようになった頃、カレンが笑い始めた。
ついに大事な何かを傷つけてしまったかと思ったら、グラシエルロも笑いだした。
ふたりはよろめきながら肩を支え合うと、沈みゆく夕日を眺め、健闘を称え合った。
はじめはきょとんとしていた観客もとい野次馬から拍手と称賛が浴びせられた。

私にはよくわからないうちに、私にはよくわからない方法でふたりは和解した……らしい。
カレン曰く「意外といい奴だった」とのこと。
グラシエルロ曰く「女にも本当の漢がいるんだな」とのこと。
やはり私にはよくわからない。

兎にも角にも、リサさんへの支払いはカレンが肩代わりすることになり、グラシエルロは武者修行に出るという。
どうしても腑に落ちないが、当人たちは納得したらしい。
野次馬の人々にも評判がよかった(私たちは興行主ではないのだから喜ぶ理由にはならない)。

「お前は己が道を行けば良い。我らは開拓前線へ行く」
「ピンチの時は泣いて助けを呼べ。俺が助けに行ってやる」
別れ際の彼の言葉が心強かったのだけは認めてもいい。
今度会うときは、私も何かわかりあえるかもしれない。

今、カレンは痛みに呻きながら横になっている。
傷には片っぱしから消毒薬をかけて手当てしたから大丈夫だろう。
消毒するたびにカレンは悲鳴を上げた。
リサさんが心配して部屋を訪ねてきたけど、「大丈夫です! 何でもありません! 何でもないんです!」と言い張った。
次からはもっとマシな言い訳を用意しておこう。
あれほどの強打を受け、これほど傷ついたにも関わらず、姉の悲鳴を聞いたのは初めてだ。
私にはさっぱり理解できない。


スポンサーサイト

 テーマ:グラナド・エスパダ  ジャンル:オンラインゲーム

 Comment:3  Trackback:0  Page top 

 『ユキノ・ララ・フェスタの日記』 

1533年10月17日

(c) IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

1533年10月17日 コインブラ 晴れ

早朝、コインブラに到着。
新大陸拓殖株式会社コインブラ支部より来週22日バレアレス広場に集まるように指示される。

午前中、旅館や下宿屋を回るもどこも満室だった。
どうやら多くの開拓家門がコインブラに滞在しているらしい。
聞くところによると空き室があるのは富裕層相手の高級旅館か漁船の船倉らしい。

夕方、いい加減歩き疲れ、野宿を覚悟した頃、幸運に恵まれる。
いや、リサさんにとっては不幸な出来事だから素直には喜べないけれど。
カフェ「セイウチ」(街の人や食通の間では有名らしい)の食い逃げ騒動に出くわした。
食事代を払わずに逃げ出した不逞な輩がいたとのこと。
リサさんの「捕まえて!」という叫びを聞くや否やカレンは走り出した。
私は瞬時に動けず、結局リサさんから話を聞いて姉を待った。

数分後、カレンは悔しそうに戻ってきた。
犯人を取り逃がしたという。
店主のリサ・リンウェイさんは残念がるどころか、そこまでしたことを喜んでくれた。
被害はサンドイッチの代金100visだけだから気にしないで欲しいというリサさんに、カレンは「次に会ったら必ず成敗してくれる!」と言い放った。
どうやらリサさんは冗談だと思って笑ってくれたけど、私にはわかってる。
姉は本気だ。

このとき、何気なく下宿が見つからないことを話すと、店の2階の個室が空いていて、しばらくそこを貸してくれるという。
下宿人を募集していなかったから(リサさん目当ての開拓家門に寄り付かれたくなかったらしい)、今でも部屋が空いていたのだ。
とても嬉しく、喜んで甘えることにした。
「ベッドはひとつしかないけど……」とリサさんが心配そうに言うと、カレンは「私は床でも寝られる」と言った。
もちろんリサさんは冗談だと思った。
しかし、今、彼女は床で寝息を立て始めた。
仮にも勲爵士を継承した女性なのに……その順応性には驚かされる。

最後に食い逃げ犯の特徴を記録しておこう。
カレン曰く「炎のような鶏のような」
なんのことやら?


 テーマ:グラナド・エスパダ  ジャンル:オンラインゲーム

 Comment:3  Trackback:0  Page top 

 『ユキノ・ララ・フェスタの日記』 

1533年10月16日

(c) IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

1533年10月16日 カタリ滝 快晴

リンドン男爵の要請に従い、リボルドウェを出発し、コインブラへ向かう。
午後にはコインブラに着く予定だったけれど、開拓支援本部が用意した馬車馬はとんだ駄馬だった。
御者は上流で降った雨のせいでアルビ川の水位が云々言ってたけど、フェルッチオ・ジャンクションを過ぎたあたりでもう日が暮れてたから下手な言い訳に違いない。
とにもかくにも、今夜はここカタリ滝で夜を明かす。

今朝、集合はクイーンズ・ゲート前だった。
これからコインブラが拠点になるから門とも並木道ともしばらくお別れだ。
新大陸にやってきてからおよそ1ヶ月。
オルペシアを発ってから2ヶ月と少し。
住み慣れた館を後にして3ヶ月半。
あっという間だった気がするのに、まるでリボルドウェが故郷のように感じた。
あの館にも王都にも抱かなかった郷愁の念。
それを世界の果ての街で体験するなんて。
なぜだろう?

リボルドウェでお世話になった人たちには昨日までに挨拶を済ませていた。
にも関わらず、何人かが見送りに来てくれた。
もちろんカレンと私のためだけに来たわけじゃない。
今日は他の家門の6人と一緒だったから。
でも、それでも、正直嬉しかった。
商店街の人たちには破格の安さで装具一式譲ってもらったばっかりなのに。

ナジブさんは彼の神と私たちの神に祈ってくれた。
クラウドボネさんとイッジさんはお互いに競うように大声で送ってくれた。
パンファルロさんから渡されたお弁当はもらった時、まだ温かかった。
何歩も行かないうちに涙が出てきた。
泣いたのなんていつ以来だろう。
(あとで思い出したけど、助教の鬼曹長に修正された時以来だ)

「情けないぞ、胸を張れ」
そういうカレンも奥歯を噛みしめていた。
姉の気丈さが紙一重のものなのは知っている。
だけど、私の知る限り、彼女はあの日から涙を流したことはない。
涙を止めることなんてできないから、せめて胸を張って歩いた。
幸い、背中は涙を流さない。

焚火の灯りと夜の闇のちょうど中間にカレンが座っている。
いつからこちらを見ていたのだろうか?
私がこの日記を書いているのをじっと見ている。
「今より目が悪くなると的に当たらなくなるぞ」
それが彼女なりの優しさだ。

カレンは会話が途切れるとすぐに寝てしまった。
歩哨の傭兵は私より強そうだったから安心して眠れそうだ。
滝の轟音が心地よくなってきた。
しかし、寝る前にこれだけは書いておこう。
コインブラはどんなところかとカレンに聞くと「1ヵ月前にちょっとだけ立ち寄ったじゃないか」みたいな意地悪を言わずにこう呟いた。

「きっと……泣くほど別れが辛い人に会えるさ」


 テーマ:グラナド・エスパダ  ジャンル:オンラインゲーム

 Comment:7  Trackback:0  Page top 

 『ユキノ・ララ・フェスタの日記』 

1533年10月10日

(c) IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

1533年10月10日 リボルドウェ 快晴

アル・ケルト・モレッツァの悪霊退治に参加。
まるで戦争のようだった。
士官学校の演習を思い出す。

反逆者ディロスラテム大司教とその私兵の亡霊が大聖堂の廃墟に出没するらしい。
レオナルド・エクスプレスの駅馬車が襲われたりと何かと不穏だった。
処刑から何年も経つのに憐れと言えば憐れ。迷惑と言えば迷惑。
先日もクラウドボネさんたち自警団がリボルドウェに迫る亡霊や怪物を退治したと話題になっていた。

先週、開拓支援本部はディロスラテム討伐の布告を出した。
カレンは貼り紙を見て「これぞ好機」と言いきった。
どこからそんな自信が出てくるのかわからない。
だけど、私は彼女の力になりたくてここにいる。
今こそ力を発揮したい。

昨夜はよく眠れなかった。
半刻も寝てない気がする。
いつも以上に早起きしたカレンに叩き起こされた。
まったく元気な人だ。

役所通りに集まった討伐隊は大規模なものだった。
数百人はいたのかな?
街の人たちの声援。
リンドン男爵の閲兵。
観閲式ってやつには出たことあるけど出陣式は初めてだ。
商店街の人たちが沿道から声かけてくれたのは嬉しかった。

午後には大聖堂跡に到着。
兵隊より先に血気盛んな開拓家門が突撃した。
私たちもそれに続こうとする。
だけど、私はカレンの姿を見失わないようにするのがやっとだった。
実力が足りない。
怪物たちに足止めされて建物の入口にもたどり着けない。
腕の立つ開拓家門は続々と扉の向こうに消えていくのに。
悔しい。
すごく悔しい。

私たちがもたもたしてる間に大聖堂前は大乱戦になった。
装填が間に合わなくてひやひやした。
「リボルドウェに栄光あれ!」って声が聞こえたから、「女王陛下万歳!」って応えた。
士官学校の頃の癖で当然のつもりだったけど、何人かの開拓民に睨まれた。
ここはもうベスパニョーラじゃない。オルペシアですらない。
グラナド・エスパダだ。

空が赤く染まり始めた頃。
弾薬は輜重卒から分けてもらわなきゃならないほど撃ち尽くし、銃身は溶けちゃうんじゃないかってほど加熱していた。
カレンの背中はもうとっくに見えなくなっていた。
きっと無事だろうから、ろくに力になれなかったことの方が気がかり。
大聖堂の入口付近で何か騒いでると思ったら勝ち鬨だった。
どこかの開拓家門がディロスラテムの亡霊を討ち取ったらしい。
大聖堂まで近いようでとても遠い。

万歳の嵐の中、私は呆けていたに違いない。
埃と返り血で汚れた笑顔で近寄る人物が最初は誰だかわからなかった。
カレンが体当たりのような勢いで抱きしめてきた。
どうやら姉はなにがしかの戦果を挙げたらしい。
父を失って13年余り。
こんなにも嬉しそうな姉を見たのは初めてかもしれない。
私はちゃんと笑顔を返せただろうか?

リボルドウェに凱旋したときはすでに日が暮れていた。
それでも街中の灯りが煌煌と輝き、喧噪が止むことはなかった。
街路や広場のいたるところでどんちゃん騒ぎ。
それを背に、カレンと離れ、私はひとり先に帰宅した。
疲れているはずなのになかなか眠れない。

今も窓の外から凱歌が聞こえる。


 テーマ:グラナド・エスパダ  ジャンル:オンラインゲーム

 Comment:5  Trackback:0  Page top 

 『ユキノ・ララ・フェスタの日記』 

1533年9月29日

(c) IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

1533年9月29日 リボルドウェ 快晴

リンドン男爵と面会の予定があり、朝一番で開拓支援本部に出頭。
朝だというのに珍しくロビーが人でごった返していた。
やっとの思いで開拓副官に声をかけるも門前払いされる。
駆け出しの開拓家門の扱いなんてこんなもんだと実感。

急に暇になったから、フェルッチオ・ジャンクションへ観光にいく。
すぐに帰って寝ようとしたカレンは渋ったが、ひとりでも行くと言ったらついてきた。
以前からフェルッチオ・エスパダ公の像を見たかったのだ。

話には聞いていたが実際に見てみるとその大きさと迫力に驚いた。
クイーンズゲートとどっちが大きいのかな?
工事は中断されたままだけど、私たち以外にも観光客がちらほらいた。
渋々ついてきたはずのカレンが妙にはしゃいでいて少し恥ずかしかった。

石像の足元あたりが騒がしいと思ったら、捕物があったらしい。
カレンが野次馬の見知らぬおじさんから聞いたところによると(相変わらず馴れ馴れしい姉だ)、共和派が石像を爆破しようとして逮捕されたとのこと。
本国を快く思わない共和派にとって3年戦争戦勝記念のこの像は許せない、ってことっぽい。
今朝の開拓支援本部の騒ぎはこれが原因かと納得する。

雄大な自然の中に聳える巨大な石像。
偉大な英雄フェルッチオ・エスパダ公。
共和派の過激なテロル。
新大陸拓殖株式会社による弾圧。
青い空、白い雲。
なんとなく気分が晴れないまま、帰宅。

帰り道、商店街でクラウドボネさんに声をかけられたけど、なんか適当な返事をした気がする。
私もカレンも上の空だったんだと思う。
明日謝った方がいいだろうか?
いや、あの人なら小さいことは気にしないか。


 テーマ:グラナド・エスパダ  ジャンル:オンラインゲーム

 Comment:0  Trackback:0  Page top 
New « ┃ Top ┃ » Old
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。